起業前に注意したいこと
女性に限らず、起業前には注意したいことがあります。
「好きだから」だけで起業
美容やファッションを好まれる女性は多いですが、「好きだから」で起業しても必ずうまくいくとは限りません。ビジネスなので、ニーズがあるのか、儲けがあるか、競合の数といった市場環境の分析は重要です。
また、マーケティングの知識も必須といえます。自身の提供する商品やサービスをどうやって認知してもらい、どのように販売するのか。実際の商品・サービスが顧客の手に届くまでにマーケティング戦略が欠かせません。少なくとも自分自身が「顧客が競ではなく自社の商品・サービスを選ぶのか」という問いに対して、明確に答えられるよう事業を準備しましょう。
特に競合の多い業種の場合、いかに差別化して魅力を伝えられるかが成功のカギとなります。
自己資金をしっかり準備しておく
起業には大きな費用がかかります。資金がなければ個人でも法人でも起業することはできません。
資金調達をする場合、真っ先に思いつくのが金融機関だと思います。事業を行うにあたり金融機関との付き合いはありますし、設備投資のようにまとまった資金は金融機関にお願いするのは当然です。しかし、起業の段階だと金融機関は返済能力をシビアに見ています。必要な資金が確実に借りられるとは限りません。
そのため、起業前に、以下に自己資金を蓄えられるかが起業の成否を握っています。起業する場合、個人事業主として独立開業するのであれば、会社設立に比べ費用を抑えることが可能です。ただ、個人で起業する場合でも、キャッシュフローが安定するには時間を要します。それまでの自己資金を蓄えておかなければなりません。
経営者視点でお金の収支をマネイジメントしていく
起業すると自身は経営者として、事業をマネイジメントしなければなりません。従業員の立場だと担当の仕事をこなすことが役割ですが、経営者としての役割はそれとは異なってきます。その役割の一つが、実際に従業員や自身が担当の仕事をこなした時に利益が出るように、事業の枠組みを設定することです。そのために売上や費用の見込みを定量的に出し、収支として成り立つか考えるようにしておく必要があります。
税務・会計や法務の知識を身に着けておく
多くの起業家が苦労したことの一つが「財務・税務・法務に関する知識の不足」を挙げています。事業にはお金の管理が必要ですし、税金の納付も必要です。事業運営にかかわる法律の知識も必須になってきます。
専門的な分野は専門家に委託するのが一般的ですが、何も知らないと損をしたり、トラブルにあったりするリスクが高まります。基礎的な知識だけでも身に着けておきたいところです。
仕事や顧客を確保しておくこと
起業するということは、あらゆることを自分自身で行わなければなりません。従業員であれば、与えられた役割を全うしていればそれですんでいたはずですが、起業した場合、そのようにはいかなくなります。起業後は自分自身で仕事を引っ張ってこなくてはなりません。
顧客の確保も自身で行う必要があります。起業すればすぐに顧客から仕事を受注できるだろうという甘え考えでは、いざ起業したときに悲惨な目にあいかねません。仕事や顧客の確保は起業前にしっかりしておくことが重要です。起業後、仕事や顧客を探したのでは、収入がゼロということになってしまいます。
スタートアップから利益を得られる見通しがあったほうが、起業時の不安が小さくて済みます。起業後、すべて自分自身で行う必要があるため、時間や資金が限られてきます。だからこそ、時間や資金の余裕がある企業前に、顧客や仕事を確保しておくのが鉄則なのです。
信頼できる相談相手を作っておく
起業の準備から事業が軌道に乗るまで、軌道に乗ってからも、わからないことや判断に悩むことは多く出てくるでしょう。すべてを一人で決めることは難しいですし、本やネットの情報を見て判断するのは限界があります。そこで、頼りになる相談相手を作っておきましょう。
経験談を聞きたい、あるいは不安や迷いなど精神面で相談したい場合は、すでに成功している起業家や経営者、知人が適任です。
実務的な専門知識の場合、税理士や弁護士、行政書士、社会保険労務士に相談すれば解決します。専門家に相談した場合、費用はかかりますが、それだけのメリットはあります。
起業後苦労することとは
夢や目標のために苦労をいとわない覚悟で起業するのですが、現実は想像以上に大変です。
顧客・販路の開拓
ビジネスにおいて、売上を拡大するためには顧客単価を上げるか、営業を通じて新規顧客を増やすということをしなければなりません。それはどのような企業であっても同じことです。新規ビジネスを立ち上げた当初は価格の訴求が難しい中、販売数や顧客単価を上げて売上拡大を図るのは困難だったりします。
売上を拡大するにはいかにして新規顧客を開拓するかを重視して取り組事が重要です。しかし、新規顧客の開拓は多くの苦労が伴います。
従業員に関する苦労
友人や知人に頼る以外で、従業員を確保することは難しくなります。起業したばかりの時点だと、何をやっているのかわからない、給料がきちんともらえるかなど、従業員側から見ると多くの不安材料があるからです。従業員をいつ、どのように、どのような待遇で採用するのか、採用した人材の管理も大変です。
採用についてはハローワークなら無料で求人できますが、求人範囲が狭いため希望する人材がいなかったりします。一方で人材紹介企業の場合、時間と労力はかかるものの幅広い人材を確保できるため、軌道に乗ってきた後の売上拡大をかけたい場合に有効です。
起業でよくある質問
起業を考えている場合、さまざまな疑問が生じます。以下によく聞かれる質問と回答を紹介します。
学歴は必要?
学歴は絶対に必要ではありません。ただ、大学の学位は有益です。ビジネスや経済学などの分野の学位を取得することで、その分野の情報を得られやすくなるからです。
どちらかというと経験が役立ちます。例えば、顧客サポートや接客、サービス業、または医療機関などで勤務経験がある場合、ビジネスとして成功するための多くの要素や、予測不能な事態・状況を実感として理解できているはずです。
学生でも起業できますか?
学生が起業することはできますが、成功するためには強い信念と意思が必要です。学生は学業とビジネス両方にエネルギーを注ぎ、バランスを保たなければなりません。在学中に起業するのであれば、学生ローンなどの要因が自分の信用や必要な収入額にどのような影響を及ぼすのか検討したほうがいいでしょう。
また、地域の起業家と会い、あなたのアイデアを広める手助けをしてくれる人と知り合うことで、成功のためのパートナーや考慮すべき分野を紹介してもらえるでしょう。
起業をやめたほうがいい人とは
起業をしないほうがいい人の特徴をご紹介したいと思います。
自分で責任をとる覚悟ができていない人
起業したらすべて自分で責任を負わなくてはなりません。一人で事業をする場合はもちろん、誰かを雇い、その社員がミスしてしまった場合、責任を取るのは会社のトップである自分自身です。今までは大きなミスをしても会社が守ってくれました。しかし、起業してトップになった場合、自分自身が責任を取る必要があります。
その覚悟が無ければ起業に向いていませんし、起業後も苦労することでしょう。
命令されたくない
従業員だと人に使われるのが嫌だから起業したいと思う人はいるでしょう。自分の会社なのだから、自分のスケジュールは自分で決められます。起業家の醍醐味に感じるかもしれません。誰からも指示を受けることなく、自由に働くことが可能です。しかし、実際は顧客やスタッフ、株式上場をした場合は株主が上司の様な存在になってしまいます。常に自分の周囲の人たちに根気よく説明し、理解を得るには相当のエネルギーが必要なのです。
サラリーマン体質が抜けられない
稼ぐ起業家ほど遅刻はしません。もしも電車が止まってしまい待っても動きそうもない場合、電車をあきらめてタクシーに乗ります。サラリーマン体質の人はどうかというと、まずは会社やこれから向かう相手に電車が止まっているので遅れる連絡をするのではないでしょうか。もちろん、悪いのは電車ですし、サラリーマンなら遅れる連絡をしておけばすむ場合もありますが、起業家の場合だと遅刻すると次はないかもしれません。遅刻した理由関係なく、遅刻したという事実が仕事にルーズと見られてしまうからです。例えば、大切な交渉ごとに遅刻した場合、どうしても下手に出なければなりません。そのため、稼ぐ起業家ほど遅刻はしません。遅刻をしないように時間に余裕をもって行動するからです。
不幸自慢をする
成功する起業家はたとえ具合が悪くてもはってでも仕事をする覚悟を持っています。体調が悪いとすぐに休んでは、周囲に大きな影響を与えてしまいかねせん。場合によっては顧客からの信用を失ってしまうでしょう。起業したての頃は尚更です。実績も信用もないうちは、一度でもドタキャンすればすぐに打ち切られてしまいます。
そのため、日々の健康管理は大切です。体調が悪いことをアピールする不幸自慢だと起業家としては上手くいきません。身体が弱い人に仕事を頼もうとは普通思わないでしょう。起業するのであれば自分の弱みを見せてはいけないのです。
まとめ
いざ事業を始めてみると思わぬ事態に見舞われるかもしれません。だからこそ、起業する前にキチンと準備を整えておくべきです。準備がきちんとできていれば、どのような事態にも迅速に対応できます。準備をおろそかにすると、長く会社が続かなくなることも多いため、計画的に準備しておきましょう。
ここまで紹介してきた注意点を踏まえ起業の準備を進めることでリスクマネジメントにもなってくれるでしょう。最後に起業を成功させるには強い意気込みが必要です。悲観的になっては成功が難しくなりますので、強い気持ちをもって踏み出してみてください。