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世界の女性の労働環境

女性の進出とは裏腹に解消されない賃金格差

日本は先進諸国の中で見ても女性の社会進出は最低レベルとされています。
しかしながら日本とは比べ物にならないほど社会進出が進んでいる先進諸国であっても、実際には大きな賃金格差があり経済的な平等は実現されるには程遠いという状況が起こっています。

例えばオーストラリアやニュージーランドといったオセアニア地域はもともと性差における平等意識が強い国であり、就業状況を見てもかなり多くの女性が社員として勤務をしていることがわかっています。

しかしながら男女の収入格差を調べてみると、高所得者層の人口は男性の方が女性の約4倍にもおよぶということがわかっています。

ここ近年何度かニュースにもなっていることですが、世界で最も華やかな実力主義の世界であるハリウッドにおいても、トップ男優とトップ女優のギャラには大きな差がついているということが告発により明るみに出ています。

よく男女の賃金格差というと「男性の方が働いているのだから(優秀なのだから)当然」といった意見を言う人を見かけますが、ハリウッド映画における男優と女優の働きということで比較すればその差は全くないということは一目瞭然です。

そのような世界においてもなお男女の賃金に大きな格差がついているという問題を思えば、格差是正がいかに世界的に難しい問題であるかということがわかります。

世界一賃金格差のない国とは

逆に男女の賃金格差がない国はないかということで見ていくと、世界で最も賃金格差のない国となっているのはハンガリーです。

以下ルクセンブルク、ニュージーランド、ポーランド、ベルギーといったようにヨーロッパ内でもとりわけ北部の国々やオセアニア地域の国が並んでいることがわかります。

少子化に悩む先進諸国において唯一出生率をプラスに転換することに成功した国フランスでも男女の賃金格差は少なく、かつ女性の就業観桔梗を大幅に改善する政策が評価されています。

フランスでは出産休暇に加えて1年間の育児休暇をとることが常識とされており、その分の有給も補償されています。
この育休は女性だけでなく男性も取得可能ということになっており、子供を産み育てている家庭に対して手厚い補助制度を設けていることが特徴です。

男女の賃金格差が最も少ない国とされているベルギーにおいても同様で、女性のキャリアに関してはかなり国が積極的に介入していることがわかります。

出産や育休におけるキャリアの中断にならないような人事評価制度も確立しており、復帰をするときの周囲の視線がかなり日本に比べて温かいものであるといいます。

特にベルギーにおいては子供が5歳になるまで休暇やパートタイム業務をとりやすくするという政策がとられており、仕事のキャリアを諦めて家庭に入るという考えそのものがほとんどないと言ってもよい状況です。

日本においてはキャリアの中断どころか出産を前に入る保育園を探さなければ間に合わないというような状態ですから子育てに関する公的支援がかなり違っているということがわかります。

体質的に難しいという問題

女性の出産や子育てについて、単純に文化や思想だけで比較をするということは難しい面もあります。
というのも日本人というのは男女とも体格が欧米系など他の人種と比較して華奢であり、体力の回復に時間がかかることがよくあるからです。

つい2013年にはキャサリン妃がロイヤルベビーを出産したとしてニュースになりましたが、産後24時間くらいですぐにカメラの前に立った姿に驚いた日本人も多かったことと思います。

一般的な日本人体型の人は産後1週間程度は体力が回復せず立つのもつらいことでしょう。

それだけに日本人は産後の手当は欧米人よりもずっと手厚くあるべきなのですが、なぜかその部分については国は介入せず家族任せになっているのが現状です。

ただ制度だけを海外の真似をするのではなく、日本人の実情にあった対策をとっていかなければ大きな効果を期待することはできないでしょう。