介護を要する高齢者と介護保険サービスを結びつけるプロ
1997年に始まった介護保険制度をスムーズに運営する専門職としてケアマネジャー(介護支援専門員)制度は出発しました。
介護保険制度は、高齢化社会が進む日本の社会において高齢者福祉サービスを充実させる目的で、整備された制度です。
要介護状態と認定された高齢者が様々な介護福祉サービスを受けられると同時にその負担の求め方を規定する制度です。
ケアマネジャーは介護保険制度において、保険サービスと要介護高齢者の橋渡し役として活躍するために設けられた職種で、都道府県が認定する公的資格です。
活躍する場所は、主に家で療養しながら暮らす高齢者のサポートをする看護ステーションや訪問介護事業所等です。
また、介護施設など入所施設においても多数が活躍しており、特に近年住宅型高齢者住宅においては、一体的な運営が図られています。
ケアマネジャーの主要な業務
ケアマネジャーの業務は多岐に渡るのですが、高齢者やその家族からの介護にかかる相談、介護計画の作成、介護認定の書類作成などが挙げられます。
もちろんそれぞれの業務が独立しているのではなく、要介護高齢者を中心として複合的に重なり合い、フィードバックが繰り返される一連の業務なのですが、最も中核を占める業務は介護計画の作成と言えるでしょう。
ケアプランと呼ばれる介護計画は、当面の支援課題をまとめた介護サービスのマニュアルとそれを具体化する月ごとに作られる日々のスケジュール表の2通りがあり、ケアプランが無ければ介護サービスは実施されません。
訪問看護や通所介護、福祉用具のレンタル等、介護サービスの種類は様々で、ケアマネジャーは本人や家族の意向も聞きながら最適な計画を立てるのです。
もちろん無制限にサービスを受けられるわけではなく、要介護度により制限があり、基本的には1割が自己負担であるため、決められた枠の中で最適なサービスを組み合わせてプランを立てる必要があります。
高齢者本人・家族や実施する介護サービス事業所にも渡される書類なので、理解が容易な言葉で正確に記載することが求められます。
資格を得るための試験と登録
各都道府県が管轄の下、例年1回、10月に実施される試験にパスして一定の研修を受けたのち登録することになります。
試験を受けるための条件に資格・実務経験が求められ、社会福祉士、看護師など保健・福祉・医療関係の資格を有する場合は5年以上かつ900日の実務が必要です。
近年は介護のフィールドが近いこともあり、介護福祉士からケアマネジャー試験の受験者・合格者が増えています。
このような国家資格を有していない方が受験する場合、高齢者介護施設や訪問介護の仕事に従事し、5~10年の実務経験を有することにより、受験資格を得ることが出来ます。